明日への英気養う
〜世代超え 語り合う場に〜
県宮陵会の皆さま、日々ご健勝にお過ごしのことと思います。
この度会長の任に就くことになりました。力量不足であり運営等にはなはだ心もとなさがありますが、会員各位のご支援、ご協力をもとに県宮陵会発展のため努めてまいります。
大学はコロナ禍を経て、「みなとみらいキャンパス」(MMC)の開設、2028年の創立百周年に向け、着実に進展を見せている。
翻って同窓会組織である各地方宮陵会は、会員の固定化、高齢化が共通の課題。秋田県宮陵会も同様で、若年世代の減少が切実な悩みである。
過日、横浜再開発の「みなとみらい21」地区に開設された神大MMCを訪れた。21階建て。明るくモダンなビル。一階にはレストランがあり、部外者でも出入り可能。学生に交じって高齢者らがランチを食べていた。キャンパスから徒歩数分で桜木町駅。ベイエリアを散策すると帆船「日本丸」が浮かび、頭上にはロープウェイ、大観覧車も回っている。イベント広場や飲食店、赤レンガ倉庫など歴史的建造物も並ぶ。多数の若いカップルや観光客らで賑わっている。
一帯はMMCの一角と言っていいほど身近。キャンパスライフに多彩な刺激を与え、新たな文化が育まれると感じた。
これまでの宮陵会員の多くの思いは、横浜キャンパスが立地する六角橋商店街を中心にした下町雰囲気漂う学生生活にある。将来のMMC卒業生にはそうしたノスタルジアは薄いはず。地元宮陵会に親しみを抱くより、足が遠のく懸念さえある。
いずれにしろ地方宮陵会の会員加入は年々右肩下がりであり、一朝一夕の克服は難しい。そんな中で期待されるのは宮陵会本部による、地方ブロック総会への在学生派遣事業。在学生にとって帰省できる機会になるし、宮陵会は、会への理解を深めてもらうきっかけになる。
事業は始まったばかりだが今後、ブロック総会だけではなく、各県宮陵会の総会、懇親会にまで派遣拡大を要望したい。秋田県宮陵会にとって若手加入の端緒にもなる。
宮陵会の原点は会員同士の交流、親睦にある。世代超え、「学生時代」や「今」を語り合い、明日への英気を養いたい。
皆さまのご健康、ご多幸を祈念するとともに、ご指導宜しくお願いいたします。
※経歴・主な著書 秋田魁新報社報道部長、編集・論説委員、秋田新聞輸送代表取締役社長など。現在、日本林政ジャーナリスト会員
「あきた物語 源流から明日へ」(秋田市文化選奨受賞作)、「ユーラシアを駆けた男」(中国・ロシア13000`踏破取材・共著)